BLOG

2018.06.17

メルマガ

新作『ギャングース』初号試写/『22年目の告白 私が殺人犯です』初地上波放送を終えて

1

こんにちは、入江悠です。
梅雨入りしましたね。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
今週は大きなニュースというか、ご報告が3つあります。


(1)新作『ギャングース』初号試写&完成

今年の1月に撮影していた映画『ギャングース』が数ヶ月の仕上げ期間を経て、初号試写を迎えました。
初号試写とは、キャスト・スタッフ向けの初めての試写です。

この日は主演の高杉真宙、加藤諒、渡辺大知の3名(以下敬称略)。
林遣都、般若などの主要キャストから、脇役の方々。
残念ながら別の仕事で来られなかった方もいましたが、スタッフたちも大勢集まって試写会が行われました。
また、漫画の原作者である鈴木大介さん、肥谷圭介さん、出版社である講談社の方々もお見えになりました。

映画制作に関わったキャスト・スタッフがどう完成した映画を観たか、また原作者さんたちがどう思ったか、それは初号試写で監督として最もドキドキするポイントです。
以前、『ビジランテ』の時は桐谷健太さんが「自分の代表作ができた」と言ってくれましたが、そこまでじゃなくても、「自分の映画ができた」と思ってもらえると本当に嬉しいものです。

まだ秋の公開まではちょっとあるため、今回はキャスト・スタッフの感想や反応を書くことは控えたいと思いますが、個人的には「これまでの自分の映画の集大成」だと思いました。
『SRサイタマノラッパー』シリーズの要素、『日々ロック』の要素、『ジョーカー・ゲーム』の要素、ドラマ『ふたがしら』の要素、『太陽』の要素、『22年目の告白 私が殺人犯です』の要素、そして、『ビジランテ』の要素、すべてが入っているからです。
どんな映画だ、と思われるかもしれませんが、本当に要素が全部入っています。
テーマや描写、原作との取り組み方、監督としての演出方法など、様々な面において、上記のどれか1本が欠けても『ギャングース』は撮れなかったと言えます。

この初号が映画が産声をあげる日だとすると、秋の公開は映画が自分の足で歩み始める日。
観客の皆さんからどんな感想や批評が聞けるか、今からもう楽しみです。
惜しむらくは、日頃の不摂生が祟ったせいか、仕上げの疲れが出たのか、半分風邪のために喉が枯れて、打ち上げの二次会で途中退席せざるを得なかったこと。
次は初日舞台挨拶後の乾杯にすべてを賭けたいと思います。


(2)初の地上波! 「金曜ロードSHOW!」で『22年目の告白 私が殺人犯です』放送

僕モテメルマガ執筆陣と一緒にニコニコ動画で<勝手にオーディオコメンタリー>を中継したので、ご覧いただいた読者の方も大勢いらっしゃるかもしれませんが、『22年目の告白 私が殺人犯です』が日本テレビ系の「金曜ロードSHOW!」で初放送されました。
自分の映画としても初めての地上波放送です。

昔は「金曜ロードショー」として映画放送のためだった枠が、少し前に「金曜ロードSHOW!」と改称されて、映画以外の番組も放送されることになったらしいです。
個人的なことを言えば、かつては自分もこの枠や別の局の映画放送枠で映画にたくさん触れた思い出があるので、なによりも放送されることが非常に嬉しかったです。
(友人からも、「金曜ロードSHOW!」はすげえぞ! とお祝いの言葉をもらいました)。

映画はできるだけ映画館で観て欲しいと常々思っていますが、(また、そのためにこのメルマガもずっと続けていますが)、子供の時に自分も近所に映画館がなく、テレビのブラウン管を通して映画に親しんだことを思うと、まずはテレビの番組からでも、映画の世界に触れて、魅力を知ってくれる人が増えるといいなと思います。
魅力を知った後に、次は映画館へ行ってみよう、と思ってくれればいい。

ちょっとだけ裏話を。
この枠はテレビ番組なので、映画本編を放送尺に合わせて短くする必要がありました。
「切らないで! この尺で完成した映画だから!」と駄々をこねても、放送するためには短くする必要がある。ならばいっそのことテレビ放送の編集に慣れたプロにお任せしようと、短くする編集を一任しました。ニコ生をやりながら観たのですが、これがまあびっくりするくらい上手!
曾根崎の告白本が印刷されて、書店に並び、爆発的に売れていく、SNSでも広まる、というようなシークエンスを丸ごとばっさり落としている箇所もあれば、1カットの中で細かく頭を切っている箇所もある。大雑把に言って、「映画館で観てこその醍醐味である情緒や息苦しさ」みたいなところはカット。また、テレビ放送としては厳しい「残酷な描写」もかなり減らされていました。物語を伝えることを最優先した編集、と言えます。

また、映画本編はシネマスコープという横長のサイズで撮っていますが、これもテレビ画面の16:9のサイズに左右が切られてトリミングされています。カメラマンのチェックも入っていますが、画面の端と端に人物がいるときはちょっと苦しい。でも、昔はテレビが4:3のスタンダードサイズだったため、それに比べるとかなりマシ。昔のテレビでは普通に観ていましたが、かなり違うバージョンを観ていたんだなあ、と思います。

ともかく、晴れてこれで地上波デビュー。
「金曜ロードSHOW!」は大ヒットした映画(であり、番組スタッフさんが選んだ映画)しか放送しないため、もしかしたら、これが自分にとって最初で最後になる可能性も無くはありませんが、それはそれとして、無事に初体験を終了です。
ニコ生も含めて、ご覧いただいた皆様ありがとうございました!


<つづきはメルマガで>
毎週水曜日配信:まぐまぐ
毎週木曜日配信:ニコニコチャンネル