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2020.01.30

AI崩壊

ずっと夢だったSF映画と、新作『AI崩壊』

いよいよ、明日1月31日(金)から、
新作映画『AI崩壊』が全国劇場で公開になります。

本作、『AI崩壊』はオリジナル脚本による近未来サスペンス映画です。
あるいは、SF映画、パニック映画、と呼んでも良いだろうと個人的には思っています。

かつて中学生のとき、埼玉県大宮市に住む叔父に連れて行ってもらった映画館。
そこで観た『ターミネーター2』の衝撃。
映像表現で時間と空間を悠々と超えられる映画の力。
以来、人工知能をはじめSF的なものにずっと惹かれてきました。
「いつか自分もSF映画を撮ってみたい」と思い出したのは、高校生くらいから。
ディストピアSFやディザスター映画などを貪るように漁りました。

しかし日本大学芸術学部に進み、映画の道を歩き始めると、次第に現実が見えてくるようになります。
いわく、「日本でSFは当たらない」「なので、作るのは難しい」。
商業映画の世界に足を踏み入れてからは、オリジナル脚本はおろか、有名原作でもSFやパニック映画を撮ることはほぼ不可能に思えました。
膨大な制作費がかかるからです。

今回、新聞や雑誌、ウェブニュースなどさまざまな取材を受けて、よく言われたのがこんなこと。
「10年前から、SFとかパニック映画が撮りたいって言ってましたよね」
そうだっけ、と思いましたが、たしかによく語っていたのかもしれません。
僕は『SRサイタマノラッパー』という青春映画で実質デビューしたようなものなので、
「SFが好き」というと意外な顔をされる方も多いのですが、個人的な映画の原体験はやっぱりSFです。 (もちろんHIPHOPも好きでずっと聴いていますが)。
子供の頃は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ターミネーター』シリーズ。
浪人生時代には『ディープ・インパクト』を観て妄想癖が加速し、いざという時の逃走用にオフロード・バイクを買いました。
長じてからはジョン・カーペンターやポール・バーホーベン、もちろん『宇宙戦争』のスピルバーグも最高です。

言い続けると、夢は叶う。
自主映画をたまに撮るだけのフリーターだった20代の頃から、
誰かれかまわず、「SF撮りたいんです」と言い続け、はや15年以上。
なんの拍子か、「書いてみますか?」と言ってもらえることができ、いざパソコンを開くと、それまでの蓄積が一気に噴出しました。
プロット段階くらいで、「AI」に興味があると主演に大沢たかおさんが名乗り出てくださり、それからはあっという間に進みました。
専門家の方の話を訊きたい、と人工知能学会に入会し、東京大学の松尾豊教授や筑波大の大澤教授、またAI関連企業に取材をしました。

2年半ほどかかって映画が完成し、今日までもまた、まるで夢のよう。
連日、主演の大沢たかおさんや賀来賢人さん、岩田剛典さん、三浦友和さん、広瀬アリスさんらと、宣伝活動をしてきました(ジャパンプレミアには松嶋菜々子さん、玉城ティナさん、芦名星さんも来てくれました)。
皆さん、「オリジナル脚本でここまでできるんだぜ」と宣伝に邁進してくれました。
完成した映画を観てたしかな達成感を持ってくれたんだと思っています。

そして、ついに明日から『AI崩壊』がスクリーンにかかります。
果たして、観客の方々は本作をどう観てくれるでしょうか。
これからの私たちの社会を左右する人工知能という画期、一方で普遍的にある人間同士のふれあい。
言葉にしてしまうと陳腐にも聞こえるだろう、思いやりや優しさみたいな気持ち。
自分自身で間違いなく言えるのは、これは初めて「SFが好きだった少年時代の自分」に見せられる映画であり、また家族で観ていただける映画であること。

ぜひ、映画館へお越しいただけたら幸いです。


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