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2020.04.25

映画館

コロナ禍の全国の映画館へ動画インタビュー

コロナ禍で一時休館になったミニシアターから、哀しみの声が挙がっている。
「このまま休業補償がなく、いつまでもつのか」
先行きがまったく見えない状況に不安の声も多い。

ミニシアターエイド基金
では、現在までで1億8千万超(4月25日時点)の募金が映画ファンから寄せられたが、
全国各地のミニシアターに配分すると、1館あたりの寄付金は約100万〜200万。
1ヶ月か2ヶ月分の家賃だけで消えてしまう映画館も多い。
このままでは、閉館に追い込まれるミニシアターも出てくることは明らかだ。
しかし、政府や各省庁、あるいは自治体から休業補償への反応は薄い。
文化的助成への無理解も一向に改善される見通しがない。

はたして、各地のミニシアターはいつまで自粛休業でもつのか。
いま、スタッフさんは胸中でどんなことを思っているのか。
また苦境を乗り切るために、どんな独自の取り組みをしているのか。
これまでわたしがお世話になってきたミニシアターを中心に、動画インタビューをさせていただいた。

名古屋シネマスコーレ・坪井篤史さん

積極的にメディア等にも名古屋から苦境を訴えている坪井副支配人。
「闇の先が見えない」といいます。

川越スカラ座・飯島千鶴さん

上映中止を決めたとき、「映写室のなかで声をあげて泣いた」。
「最悪は、来春までオープンできないことも想定しなきゃいけない」といいます。

新潟市民映画館シネ・ウインド・井上経久さん(支配人)

坂口安吾ゆかりの地に立つミニシアター。
故・中上健次さんや柄谷行人さんが来館したイベントのことなども飛び出しました。

深谷シネマ、館長の竹石研二さん

僕が学童保育に通っていた頃に上映活動をしてくれていたおじさん。
「地元に映画館を」と夢の深谷シネマを作って、今も館長を勤めています。

苫小牧シネマ・トーラス、スタッフの小泉アキラさん

北海道の地に立つミニシアター。「まず存在を知ってほしい」と語ります。

※この動画インタビューは今後も引き続き行う予定。
随時、このブログに追記していきます。

映画史はじまって以来の未曾有のミニシアター危機に、何をすべきか、どんな支援がありうるのか。
現場の最前線にいるミニシアターのスタッフさんたちの声を届ける意義は多いにあるはず。
また、コロナ禍における映画館の声を残しておくことも重要だと思う。
文字だとこぼれ落ちてしまうことが、往々にして肉声からは伝わってくる。
ときおり垣間見えるスタッフさんの笑顔。中空やカメラを見つめる視線。そして人の後景。

最後に全国の映画館の方へ。
「うちにも語らせて」「我が映画館のサービスも招待したい」という方がいらっしゃったら、
ぜひお気軽に遠慮なくご連絡ください。
http://irie-yu.com/contact/

Zoomなどインターネット経由で入江がインタビューさせていただきます。
これまでわたしを育ててくれた映画館へ少しでも恩返しができればと願っています。
いや、違うな。
今回の件でどこかのミニシアターが閉館に追い込まれてしまうとすれば、
それは同じ日本にいて、同じ映画文化を担う者として、何もできなかったわたしにも責任があるということだ。
そうならないことを心から願っています。