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2019.05.18

YouTube

映画メルマガ「僕モテメルマガYOUTUBE始動!」

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※ このテキストは、入江が毎週発行している映画メルマガ<僕らのモテるための映画聖典メルマガ>巻頭エッセイから、一部抜粋して掲載しています


こんにちは、入江悠です。
前から準備を少しずつ始めていましたが、先週末、ついに僕モテYOUTUBEをオープンしました。

僕モテYOUTUBE Vol.1「僕モテ映画メルマガを語る」

僕モテYOUTUBE Vol.2「ゴダール『イメージの本』を語る」

ひさしぶりに(たぶん映画『太陽』の編集時ぶりに)、自宅のPCで映像編集ソフトを立ち上げて、映像編集をしました。
最近は映画の編集は、外の編集室で編集マンの作業のもとにやることが多いので、自分でPCをいじりながら試行錯誤するのは、なんだか新鮮でした。
昔だったら1日くらいで終わった作業も、3日間かかったりして。
また、その慣れない感覚を取り戻していくのも楽しいもんであります。
まずは2本の動画をアップしました。

Vol.1は毎週私たちが配信している僕モテメルマガについて。
「いったい私たちは毎週何をしているのか」
「この7年間、何をやってきたかのか」
ということを総括しつつ、僕モテメルマガについての紹介をしています。
毎週メールで配信されるメールマガジンという性質上、どうしても閉じた媒体となりがちな我らメルマガですが、少しずつ外に広がっていけばと願っています。

Vol.2はジャン=リュック・ゴダール監督最新作『イメージの本』について。
ゴダールという仰ぎ見るがごとき高き壁ですが、今月初週号のメルマガで特集したこともあり、執筆陣で語るのはちょうど良いかなと思ってのテーマです。
「ゴダール関連の書籍を持参する」と豪語していたカット職人・林賢一が当日まさかの欠席という、僕モテらしい不規則行為もありましたが、それはそれ。
私たちにゴダールを語る資格があるのかないのか、という謎もありますが、それもそれ。
また、こういう「高き壁」シリーズは定期的にやっていきたいと思います。

さらにこの僕モテYOUTUBEでは、映画監督や俳優、あるいは映画スタッフなどを招いて、カメラの前で自作について語ってもらう、というのを一つの夢として持っています。
時には、私や上鈴木伯周、駒木根隆介が聞き手に回って、インタビューしてみたい。

たとえば、今週私のメルマガ映画連載では、片山慎三監督の『岬の兄妹』を論じますが、主演の松浦祐也さんや和田光沙さんを招いて「どうやってあの演技にたどり着いたのか」などを聞いてみたい。
あるいは、片山慎三監督を招いてどのように演出したのかを聞いてみたい。
もう少し早くYOUTUBE開設していたら、そういう依頼も可能だったかもしれませんが、文字としての対談や鼎談をメルマガ配信しつつ、映像としても残しておく、というのも狙いの一つです。

監督は裏方であるとしても、俳優はその身体を表象メディアの一つとしてもつからです。
語られること、というのは、言葉として吐き出されるものだけでなく、身振り手振り、表情、身体の向き、あるいは年相応の声の枯れ具合、肌の質感も、同様か、それ以上の情報を持ちます。
そういう非言語的なコミュニケーションも映像なら残しておけるからです。

魅力ある俳優とは何か。
ということを探るとき、たとえばたまに行う俳優ワークショップなどでは、「それはつまり、その人自身が面白いこと、魅力的であること、に一因を持つのではないか」と話すことがあります。
役柄や脚本というものを与えられる前に、そもそも俳優とは根源的に魅力的な人であるべきで、それは別に饒舌であれ、とか美人であれ、とかそういうことではなく、この人なんとなく気になるな、声を聞いてみたいな、と思わせる魅力がある必要があります。
それは特に、先天的なものである必要もなく(若い主演俳優はそういう人が多いですが)、後天的なものでもかまわないわけです。
努力や精錬の結果、身につけた魅力、みたいなものも十分ありえると思います。
むしろそういう魅力でいま仕事をしているベテラン俳優の方が多いかもしれません。
それをその時、その瞬間に写し取るのが、つまり映画なわけですが、言葉からこぼれ落ちる、そういう非言語的魅力みたいなものも、ゆくゆくはこYOUTUBEチャンネルで残したいなと思っています。

また映像として残しておくと、10年後、20年後に、「ああ、この人昔はこういう顔や姿してたんだな」とわかるということもあります。
『SRサイタマノラッパー』1作目(2007年撮影)に映っていた主演の駒木根隆介と、「僕モテYOUTUBE vol.1」に映った駒木根隆介は、その間に12年の時間が流れているわけで、自ずと違う。
生物学者、福岡伸一先生の動的平衡的にいうなら、体内の細胞もほぼ入れ替わってしまっているかもしれない。
顔がかつてより美しくなっていなかったら、それは駒木根隆介の責任であり、何かしらの怠慢かもしれない。
逆に魅力が溢れるようになっていたら、それは12年の間に相応の生き方をしてきた、ということでもある。
(一緒にYoutubeに出演した私や上鈴木伯周も同じことです)。
映像にはそういうことの検証を可能にする効用があります。

というわけで、あまり頻度は高くないかもしれませんが、コツコツやっていこうと思います。
ゆくゆくは、映画だけにこだわらず、演劇や文学、音楽、舞踏など、さまざまなジャンルの芸術家やアーティストなども招いて、話を聞けたら楽しいだろうなと考えています。
そんなこんなでやっていきますので、ぜひチャンネル登録を。
https://www.youtube.com/channel/UCDYFJV8k-hjipKPNdHVbzqw

最近、文楽にハマっています。
なんでそんなにハマっているのか、それは文楽の人形から見えてくる俳優との差異があるからだ。
という話を書こうと思っていたのですが、収まりきらなそうなのでまた次回メルマガで。
それじゃあ、今週もはじまりはじまり~。